1問にかける時間


さらに続きです。

繰り返しになりますが、試験を受けるにあたって、まず大事なことは

 順番通りに解かなくて良い

② 時間は細かく決めすぎない

③ 問題を見切る時間を決める

①・②の話はこちら

 試験を解く順番

⇒ ②試験における時間配分について

 なお、記述問題については、末尾の方に少し書いてありますが、記述問題は“見切る”、という性質の問題ではないので、次回以降に記述対策について

の話を書くので、詳細はそちらで触れます。

選択問題にかける時間

 まずは、問1~40・問47~問57までの問題です。5肢選択問題でも一般知識の読解の問58~問60は少々変わるので別扱いです。

前回の「試験における時間配分について」で、大体1問2分の設定で大枠を考えました。しかし、問題によって問題文・選択肢の文の長さが違うので

本当に1問2分で考えてはもちろんダメです。

 5肢択一問題を解く場合、こんな流れでまず問題にあたることになるでしょう。

 ① 問題を読む。必要があれば状況を図にまとめる(主に民法)。

② 選択肢の文を読む。必要があれば状況を図にまとめる(主に民法)。

 選択肢を読み終えたところで、答えを確定できれば時間の長短は関係ありません。細かいことを言えば①・②で時間がかかる問題も、かからない問題も

配点は同じなので、早く済む問題を選びながらやれればベストです。しかし、あまりにも問題を飛び飛びに解くのは、マークの処理が煩雑になるので

お勧めできません。

 カギになるのは、この段階で答えを決められない場合です。皆さん①・②をやりながら、ほとんどの方は消去法を同時にやっているはずです。

「正しい(間違っている)文章の組み合わせを選べ」という問題だと、上手く選択肢が消えた場合、ここで答えが確定することもあるでしょう。

しかし、基本的には答えを確定できていなくても、選択肢を読み終えた時点で消去法で4択・3択・2択と絞れていると思います。ここでポイント。

★ 1つも答えを消去できていなければ、潔く次の問題に行

 ★ 選択肢を絞れていれば法令=1分,一般=30秒,経ってさらに選択肢を切れないときは見切る

★ 見切るときも、仮の答えを決める

 選択肢を読み終えた時点で1つも答えを消せないなら、そもそも頭に入っていない問題ですから、時間をかけても答えにはたどり着けません。

つまり、そんな問題に時間を投入しても時間の無駄です。さっさと次に行くにかぎります。では、1つでも選択肢を消せた場合。1分で少なくとも

1つは消すはずなので、最大3分で答えを決めることになります。そんなに時間かけて大丈夫か、と思われるかもしれません。でも大丈夫です。

そもそも1つしか消せない、という場合がそんなに多くないはず。ありがちなのが、3択・2択になって、さあどうするという場面でしょう。

 そもそも、4択が残る問題が多数あるようなら、残念ですが、そこまでの勉強の仕方が問題。3択からなら最大2分、2択からなら1分で答えを決める

ことになります。出題者も紛らわす選択肢は作るはずなので、2択が頻出するのはやむをえませんが、それでもプラス1分です。

 このとき、大事なのは繰り返しになりますが、★ 見切るときも、仮の答えを決める ことです。そうすれば空欄は避けられます。

 では、一般知識の文章理解問題(問58~問60)の場合は、というとわからなければ消去法などは同じです。違いは他の択一問題と比べると、そも

そも設問・選択肢を読むのに時間がかかるので、少々時間がかかっても仕方がありません。多少時間を投入しても3問取れれば12点です。さらに、この

3問だけは知識・暗記とは関係のない問題です。他は覚えてなければ推理や勘に託すことになりますが、ここは理詰めで答えにたどり着けます。よって

一般知識の目安時間30分の残り時間すべてを投入

してでも、正解に持ち込みましょう(問47から順解きしていれば、ここは一般知識の最後の3問のはずです)。もし、そこまでの一般知識問題の手応え

がないなら予備時間15分の投入までありです。とにかく6問確保しなければ終わりなので(勘が当たることもあるので、諦めは厳禁ですが)、時間に

糸目はつけない、になります。文章理解問題の考え方については、また別に書きます。

多肢選択問題にかける時間

 多肢選択問題では、1問につき文中の4つの語句が空欄として

出てきて、そこに20個の言葉から選び穴埋めする形になります。

 基本的には、それぞれの空欄に当てはまりそうな誤答が用意され

ているので、1つの空欄が本当に20択になっていることは無い

です。逆に言えば4つの空欄に20個の語句ですから、1つあたり

せいぜい5個、つまり変形の5択問題ということができます。

 まず、全体をさっと見て、穴埋めする語句は文中に1か所なのか、複数登場するのかをチェック。(ア)が2回・3回と出るなら、どこかで特定または

合わせ技で特定できることを意識して、空欄に出会ったら選択肢の語句チェック。答えがわかればOK。わからなければ、いくつかに絞っておいて先へ。

ここで微妙なのが、複数回登場する語句。方法として2つ。

① 完全に飛ばして先へ進む

 複数回登場する語句は、最終的にどこか1か所で確定できれば、それでOKです。わからないところで、こだわる必要はありません。

★ メリット・・・どこか1つで語句の確定が出来れば、消費時間が時間が短い

★ デメリット・・・どこの場所でも確定できなければ、元に戻って消去法をやることになる=時間のロス

上手くはまれば効果絶大、失敗したら1度問題を読み切ったところから②をやる、というハイリスク・ハイリターンなやり方です。

② 消去法で語句を絞ってから先へ進む

 1か所目で答えを絞れれば、2度・3度と出てきたときには、取っ掛かりが早くなります。

★ メリット・・・2回目以降の登場時に、絞った語句だけを当てはめればよい

★ デメリット・・・2回目以降の登場で、答えが即わかったときには、最初に語句を絞る過程が無駄だったことになる

答えが、最後まで絞り切れなくても、消去法も同時に終わっているので、あとはどれを選ぶか決断するだけです。

 前回、「試験における時間配分」で、多肢選択問題は3問で15分、という目安を立てたはずです。予備時間もあるので、5分ぐらいの投入もできる

とも言えますが、出来れば多肢選択問題に投入したくはないところです(そこまでの5肢択一問題などで、時間を貯金できていれば別)。

 消去法が終わっていれば、基本的にあとは決断あるのみ。消費時間を踏まえた上、予定時間を越えないうちに仮の答えでいいので決めましょう

記述問題にかける時間

 択一問題ではないので、ここは当然エイやっと答えを決めることはできません。なので、見切る、と

いうことはできないところです。しかし、空欄では20点中0点確定なので、どうにか形にしなければ

なりません。

 その上で、この記述問題を、一般知識のすぐ後に解く場合と、択一問題終了後つまり一番最後に解いて

いる場合があるはずです。

 ●一番最後に解く場合は話は簡単です。最後5分の最終チェックを残して残り全ての時間を投入です。そもそも、この順に解いているということは

一般知識で40点以上の手応えで択一問題を解いているはずなので、択一184点中6割正解で残り30点。1問完答プラスαを目指せばいいので、30分

プラスαの時間があるはずです。30分で3問完答なら焦るかもしれませんが、1問完答プラスαと考えれば時間は十分です。

 ●一般知識の後に解く場合は、時間は投入したいところですが、余りに時間を食うと、択一問題途中で時間切れになります。ですから、この場合は

まずは30分を投入して、文章をまとめるためのキーフレーズを作るのを最低限の目標にしましょう。で、択一問題を終えたところで残り時間を投入

という目安になります。解答までのプロセスについては、次回以降に書いていきます。

まとめ

◎ 択一問題は、消去法ののち

★ 1つも答えを消去できていなければ、潔く次の問題に行

 ★ 選択肢を絞れていれば法令=1分,一般=30秒,経ってさらに選択肢を切れないときは見切る

★ 見切るときも、仮の答えを決める

◎ 一般知識の文章理解問題は一般知識30分の残り時間を投入 ただし一般知識6問確保のめどが立ってないなら、時間に糸目はつけない

◎ 多肢選択問題は、3問セットを15分で決断

◎ 記述問題は、ひとまず30分 他の問題も終えたところで残り時間があれば投入

 参考にしていただければ幸いです。

一般知識の文章理解問題、記述問題の考え方については、次回以降に書きます。それでは、また。


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