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前回の続きです。前回の話はこちら。
⇒ 試験を解く順番
繰り返しになりますが、試験を受けるにあたって、まず大事なことは
① 順番通りに解かなくて良い
② 時間は細かく決めすぎない
③ 問題を見切る時間を決める
今回は②の「時間は細かく決めすぎない」の話です。
● 時間は細かく決めすぎない
時間配分についても、いろいろなところで書かれています。ただ、この問題で何分などと細かく考えすぎるのはお勧めしません。
問題文・選択肢ともに長文のものもあれば、短いものもあります。難易度も普通に勉強してればすぐわかるものもあれば、あきらかに難題もあります。
あまりにも細かくすると、上手くいってればよいのですが、たまたま長文・難問が続いたときに時間ばかり食って焦ってしまいます。
ここで、時間に関する考え方の叩き台として、以下の表を見て下さい。
問題のジャンル | 配点 | 時間 |
5択問題・基礎法学(2問) | 8点 | 4分 |
5択問題・憲法(5問) | 20点 | 10分 |
5択問題・行政法(19問) | 76点 | 38分 |
5択問題・民法(9問) | 36点 | 18分 |
5択問題・商法(5問) | 20点 | 10分 |
多肢選択問題(3問) | 24点 | 12分 |
記述式(3問) | 60点 | 30分 |
一般知識(14問) | 56点 | 28分 |
合計時間 | 300点 | 150分 |
気づかれた方も多いかとは思いますが、単純に配点に応じた時間配分です。ただし合計時間は短めに…というよりは単純に計算しやすく150分に
してます。そうすると、これまたわかりやすく
5択問題は 1問2分 記述問題は 1問10分
のペースになります。ジャンルごとの難易度も考えずに、ただ単純に点数に応じて時間配分しただけですが、意外にそれっぽくなってませんか?
見直しやマークチェック、自己採点用に問題用紙に答えを記入する、などの作業用の予備の時間は必要だと思いますが、せいぜい10分もあれば
充分でしょう。なので、あとは上の表をベースに、ここまでの模試や練習問題の結果に応じて、
15分~20分を不得意分野に振り分ける
と、時間配分の目安になると思います。その際
① キリをよくする…28分や38分は、30分・40分にする。
② 基礎法学と憲法はひとまとめにする…4分は細かすぎるので、すぐ後ろにいる憲法とセットにする。
という、作業をやっておくといいでしょう。
それでは以上のことを踏まえて、時間配分の例を2つほど
例1 5択民法に時間を投入
問題のジャンル | 時間配分 |
5択問題・基礎法学,憲法(7問) | 15分 |
5択問題・行政法(19問) | 40分 |
5択問題・民法(9問) | 25分 |
5択問題・商法(5問) | 10分 |
多肢選択問題(3問) | 15分 |
記述問題(3問) | 30分 |
一般知識(14問) | 30分 |
合計時間 | 165分 |
5択問題・民法に時間を投入するパターンです。民法分野は選択肢の文が長くなりやすい上、登場人物の関係の整理など、読み取りに時間が
かかる問題が多いです。しかし問題数9問=配点36点なので、なおざりにするわけにはいかないので、腹をくくって時間を投入しよう、という
プランです。これで15分余りがあるので、5~10分ほどを、さらにどこかに投入するもよし、全体の予備分としてもいいです。
予備時間を取っておくと、途中経過で2~3分越えても、ギリギリの時間の組み方ではないので、焦らなくてすみます。
例2 一般知識の文章問題以外ができない場合
文章理解の問題で点を取らないと、一般知識で足切りになってしまうかもしれない、という人向けです
文章理解の問題抜きで7問以上確保できてる自信がある + 一般知識は30点ぐらいで充分という方は、選ぶ必要なしです。
問題のジャンル | 時間配分 |
5択問題・基礎法学,憲法(7問) | 15分 |
5択問題・行政法(19問) | 40分 |
5択問題・民法(9問) | 20分 |
5択問題・商法(5問) | 10分 |
多肢選択問題(3問) | 15分 |
記述問題(3問) | 30分 |
一般知識・文章理解の問題以外(11問) | 20分 |
一般知識・文章理解の問題(3問) | 15分~20分 |
合計時間 | 165分~170分 |
とにかく、文章理解の問題以外で点が取れないので、文章理解で点が取れないと24点が危ない人用です。前提を”7問“としているのは、
6問だと、もし合っているはずという思い込みが外れていると、アウトになるからです。
例1は、比較的多くの方に当てはまりやすいパターンだと思います。対して例2は、合格には避けて通れない苦手を抱えている人向けです。
行政法が苦手なら行政法に、記述に時間を取られるなら記述に、しっかり時間を投入するパターンを、模擬問題を通じてご自身に合う形を作って
いただければ幸いです。ただし、商法に関しては配点20点に対して近年は難しい問題が出題されている傾向があるので、個人的にはここに時間
投入するのはお勧めしません(おそらく近年の商法の正解率が低いので、今年は易しくするという可能性もゼロではないですが…)。
次回は「③問題を見切る時間を決める」の話 プラス、その他細かい話まで書ければ、の予定です。それでは、また。