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行政書士試験の本番まで2か月となり、過去問の練習はもとより、模試を受けて結果に力を得た、落ち込んだという方もいるでしょう。
行政書士試験は、一般知識14問中6問正解した上で、トータルで300点中180点取れば合格するテストです。
(ちなみに、条件の1番に法令科目で50%以上の得点とありますが、一般知識の満点が14問×4点=56点なので、合計180点以上にするには
法令科目では、124点/244点=50%以上の得点が必要です。では、なんでこんな条件があるか、というと試験が難しすぎたときには補正が
入るから。そのときは、法令科目50%プラス一般知識24点で合格・・・ということがあるかもしれない、ということ。)
一般知識は5択問題(56点)。法令科目は5択問題40問(160点)、多肢選択問題(2点×12問=24点)、記述(20点×3=60点)
が、配点の内訳ですが、この記述問題がくせ者なのは、ご存知の方も多いでしょう。
行政書士試験に限らず受験経験があれば、答えを問題にも書いておいて、試験後に自己採点をしたことがあるかと思います。
筆者も、塾講師時代には、生徒たちに口酸っぱく言ってきたものです・・・(遠い目・・・)。
試験後には、公式からの正解発表はすぐには出なくとも。資格系学校などが予想正解を発表します。2つ3つ見ればおおよその正解はつかめるので
自己採点することは可能ではあります。
しかし、ここで問題なのは記述問題です。0点or20点というものではなく、部分点があるということが言われてはいます。
が、公式に正解が発表されるのは合格発表後。しかも正解例が1つ出ているだけで、何が書いてあれば部分点が何点というのは一切ありません。
この辺が一部で噂される、『記述問題が合格率の調整弁になっている』という説の根拠なのでしょう。
筆者も受験業界の端くれにいたものとして、大学受験の記述問題でもいろいろな噂は聞いてきました。
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とある大学の数学の問題で、あまりにも正解者がおらず、このままではこの問題では
まったく差がでない。これだとその問題は無かったことと同じになり差がつかない。
それではマズい。ということで、どのような方針で解くか、を書いてあれば半分点を
あげよう・・・なんて話を聞いたことがあります。
当然、最初からそんな配点だったわけはなく、明らかに後付け。
こんなもん、自己採点のしようがないでしょう。まあ、これは良い方の誤差ですが。
筆者も昨年受験した時に、記述問題も採点してくれる某学校の予想サイトで、自己採点(『自己』かどうか微妙ですが)したところ、記述の
予想点数は36点。しかし、実際の点数は28点。1問はどこかの学校の予想解答と1文字単位で同じ。他にもかなり似た感じの問題もあったので
まあ、30点はあるかな、と思ったらこのザマ。
もっとも、記述の自己採点はどうしても、基本あまくなるのが定番なのは、よくよく知っているのですがね。
高校受験などで、生徒が自己申告で、正解と同じような(この“ような”が曲者)答えを書けてたので、配点の半分で見積もって~点だった
(ひと昔前は塾などでも、そんな見積もり方をさせてた所もありました)なんて話をするのですが、こちらはさらにその半分で見積もったものです。
つまり、このように採点基準が見えないものに対して、30点は取れるように記述をやって、選択問題で150点を目指す、などという
目標の立て方をすると、最後に記述で数点足らずに泣きを見る、ということになりかねません。
だからといって、記述対策をしなくていい、ということではないですよ。
ただ、本番まで2か月ある今の時点では、選択問題で180点を目指す。結果として足りない部分を記述で補う、という方が合格に近づける
というのが、筆者の見解です。
高い目標ですが、頑張りましょう!