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8月29日。OSS登録が未経験の行政書士に対して、国交省が体験会を開いてくれるというお知らせが来た。
こちとら、純度100%の未経験者なので、条件に不足なし。新人たるもの、まずは行けるものは何でも行ってみよう精神で
参加を申し込む。何よりタダだし。ただ定員が20人。速攻で送ったものの枠に入り込んだかどうか・・・。
開催1週間前になってようやく詳細な案内がくる。どうやら入り込めたらしい。ひとまずほっとする。
それにしても、ちょっと遅くない?締め切りが8月29日。開催が9月13日。で、案内が来たのが9月6日。
1週間前まで予定入れられないのもね…。まあ潜り込めたからいいけど。
定員20人とはあるものの10人を超えると2部制になる、とかあったのだが当初の予定通りにきたので、人気がないのかねえ
なんて思いながら当日。
ところで、OSSってご存知ですか
検索をかけると、“オープンソースソフトウェア”の略、というのが真っ先に出てくる場合が多いと思います。ソースコードの
使用・改変や再配布が可能なソフトウェアのことです。もちろん、ここで扱いたいのはそれではありません。
ここで扱うOSSとは、自動車保有関係手続きに関するワン(O)ストップ(S)サービス(S)、のことです。
具体的には、今まで自動車(登録車)の運行に必要な各種行政手続(検査登録=運輸支局,保管場所証明=警察署,自動車諸税の納入
=運輸支局・県税事務所)の申請・納付手続がオンラインで一括で行える(だからワンストップ)というシステムです。
要は手続きに申請や税金納付のため、あっちこっち行かなくていい、ということですね。
先ほどからやたら申請・手続を強調してますが、そうです。自動車検査証(車検証)は取りに行かなくてはいけません。
あれ、そうすると保管場所標章等は行かなくてもいいの、と思われた方。北海道(このブログサイト名がサイト名なので…)の場合
保管場所標章等は郵送してくれます。ただし、こちらで返信用のレターパックプラスを送らなければいけません(その前に警察署へ
電話連絡が必要です)。
ということは、まずこちらから警察署にレターパックプラスが入る封筒で郵送希望申請の書類とレターパックプラスを送るわけです。
二つ折りにすればサイズは少し小さくできるので、封筒の大きさは小さくできますが、ウチにはそんな封筒ないという方もいるでしょう。
そうすると、レターパックプラスが520円、そしてレターパックプラスを送るための封筒代プラス切手代が必要、となると結局
警察署に行った方が安い…となる方も多いのでは。しかも送料がいくらか、というのは自分で重さを量って切手を貼るか、郵便局に
行くか、となると行き先が郵便局か警察署かという違いになってくるのかも。
さらに、もう1つネックなのは、電子申請にはネット上の支払いというのがセットだと思いますが、道警の場合納付できるのは
北洋銀行のネットバンキングだけです。
まあ、まだまだ道半ばですかね。OSSの詳細については、また別のところで書いていきます。
ちなみに、OSSについて詳しくしりたいかたは、こちらもどうぞ。
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話を戻して体験会。受付で入館証という名のバッジのようなものをもらい会場へ。
10人くらいのはず、と思ってたらやけに人が多い。40人ほどが参加。長机に椅子2つと
資料たっぷり×2とノートPCが1台…。あれ、1人1台でしっかりいじれると思ったら何か
話が違う。少人数での開催なので、もっと初心者向けかと思ったらそうではないらしい…。
そんなこんなで話が始まる。詳細は避けるが、このシステム、まあ随分いろんな所が入り込
んでいるんだね。司会が某コンサル系から来ていて、国交省の担当者から概要・メリットの
説明を聞き、さらに某システム系会社から記録事務代行制度の説明。で、さらにこの後デモ
操作の説明はまた別の所がやる。まあその辺の感想は置いておいて…。
とにかく国交省としてはとにかくこのシステムを進めたいんだな、と感じつつ話を聞く。
OSSの体験会ではあるが、行政書士がこのシステムを利用するには、特定記録事務・特定変更記録事務の委託を受けることで
電子車検証の書き換えをできるようになる、というのが肝心。特定記録事務の委託を受けると継続検査の、特定変更記録事務の委託を
受けると変更登録・移転登録(券面変更=所有者の氏名・住所など、の変更を伴わない場合のみ)ができるようになる。
要は運輸支局に行かず、近所の委託者である行政書士の所へ行けば、そこで車検証を書き換えてもらうことができ、検査標章などの
発行もしてもらえるわけですね。で、その際の申請に使うのが、いや使わなければいけないのがOSS、という関係になる、ということですか。
それとは別に、それ以外の申請に関しては、ただただ普通にOSSを使ってくださいね、といった話なのかな。
で、今回の目玉の操作体験。今回は所有権留保の解除の手続きを、仮の車検証をもとに行うというデモ操作。操作そのものは至って簡単。
よくある型のプルダウンメニューで選択して、あとは必要な箇所に手入力するだけ。数字が大文字の入力と小文字の入力さえ気を付ければOK。
もし間違ってもエラーで弾いてくれるので、そのまま送られる心配なし。慣れりゃすぐ使える。
ただ、図面関係の添付もあるのだが(もちろんそうでなきゃワンストップにはならないのだが)、その辺の作業は体験できず。
正直、少人数で多少面倒くさい操作までしっかり体験できるのを期待していたので、そこはガッカリ。作業としてはその辺が肝だと思うのだが。
手入力は電子車検証があれば、車の情報まで読み込み一発で終わり。マイナカードでも住所・名前なんかは入力不要。こちらでやるのは、
図面の取り込み&添付がメインになるのだろうから。
で、ごくごく簡単な体験をやって、また説明。この説明が後の質疑応答で揉めるタネになる。
移転登録の場合、申請を送信後に、運輸支局に書類を提出しなければならない、とのこと。
あれ、このシステムの売りの1つは、2回(以上)出かけなければいけないのが1回でよくなるところだよね。これだと…。
当然のように、ベテラン先生達からこれじゃ使えない、の猛批判。そりゃ2回支局に行かなきゃいけないなら、ソフトを導入して、覚えることが増える
のに、肝心の窓口に行く回数が減らないならね。しかもあの場では説明なかったが、委任状作成において受任者ファイルの作成
をして、依頼者様に委任状を作ってもらい、電子署名をしてもらい…という作業が必要になる。要は今まで紙でやってたこの作業も電子化する
ということ。ちなみに紙で委任状を作成してもらっても、OSS上で行政書士側が紙と同じ内容の、電子の委任状を作成して受任者情報ファイルの
添付作業が必要なので、OSSを使おうとする限りはそこそこ大変なPC操作は避けられないようだ(PC使い慣れてりゃすぐ慣れるのだろうが)。
PC上での委任状作成、さらにはその説明となると、さらにハードルが上がるね。
実は、筆者自身、委任状作成の体験を期待していたのだが、
見事に透かされてしまった。
これから、ソフトに慣れていく中で、経験を積めないのが
委任状作成の部分。何せこっちで勝手に作るわけにはいかない。
しかし、やり方を説明してほしい、というご要望は絶対にくる
だろう。その時、やはり自分で1度やってると説明しやすい。
うーむ。残念だね。
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もう1つ、質疑応答で出てきたのが、従来はまず、車庫証明を取る作業(警察関係の作業)をやって、審査中に検査登録にまつわる作業
(運輸支局の作業)をやるのだが、このシステムでは、両方の作業に必要な書類等を、最初に用意しなければならない、ということ。
まあ、そうじゃなきゃワンストップじゃないのだから、仕方ないと言えば仕方ない。
ただ、今までの紙ベースでの行政書士の仕事の流れで一般的なのが、まず旧所有者が関係しない車庫証明絡みをやってしまう。その間に印鑑証明書・
譲渡証明書(紙の場合)・委任状を揃えて運輸支局へ提出というのが普通なのか。この場合は車庫証明審査と書類集めが同時進行になる。
この2つを比べれば、今までの方が全体の所要時間が短いのは明らか。まあ、電子化には24時間受付可能という面はあるが…。
しかし、この車庫証明に関する問題は、紙の車庫証明を取った後にその先を電子申請、というやり方も可能になるらしい。
長くなったので、私的な結論。電子化の流れは避けられないわけだし、国交省はやる気。何せ窓口申請より、OSS申請の方が発行日数が早く
なるケースが多いと言ってるからね。ここでは柔らかい言い回しになってるが、本気になれば露骨に差をつけることも辞さないでしょう。
マイナカードですら保険証とくっつけて普及させようとするぐらいですから、許可事業ならなおのこと。
システム・ソフトに厄介なところがあるのも、初期においては普通の話。その分何かとシステム利用者にはニンジンをぶら下げるのだろうから
早晩の電子化を避けられないなら、ラビットになった方がいいのかな、という感じですかね。幸いこっちは新人なので、このやり方で慣れれば
これがデフォルト。諸々登録しとこうかね、ということで、まずは記録事務代行ポータルへの登録。これで、電子車検証の情報の書き換えが
できるようになるのだが、ここから先の登録作業がまた大変なのを、やり始めてから気づくのは、また別の回で。