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またまたご無沙汰になってしまいました。言い訳タイムになってしまいますが、仕事や仕事に関係する勉強(⇐これがメイン)に加え、PCのアプリ周り
のアップグレードに悪戦苦闘しているうちにすっかり日付が進んでしまいました。
「仕事に関係する勉強」と書きましたが、法律・許認可関係ではなく、技術系の話。当欄の更新やらHPの更新やらやらねばならぬ、と思いながらも、ま
ずは必要な知識は頭に入れねば、ということで勉強という名の読書やら資料読み、をやっていたらすっかりお留守。「仕事」そのものの話はいずれHPにも
当欄にも書きますが(いつもそんなことばかり言ってなかなか書いていませんが、この話はこれからの方針にもかかわるので必ず書きます)、今回はその
周辺的なお話。
この数年で、様々な手続・届出・が電子的=PCなどでの申請が可能になってきています。電子申請が普通になると我々行政書士の仕事が無くなるのでは
と言われてますが、少なくとも今の時点で電子化になったことで、書類を書くことがメインの申請系のすぐに仕事が無くなるか、と言えばそうではなさそ
うです。現状電子化、と言っても紙で書いていたことが、PCの画面上になっただけの電子化がほとんど。紙で20枚書くのが画面上で20画面分の入力に
なっただけです。ましてや、住民票やら戸籍謄本など紙でしか貰えない証明書類を提出する場合、紙提出ならそのまま提出すればいいところが電子申請で
は、一度スキャンしてデータ化しなければいけないわけですから、かえって手間が増えてしまいます。
いわゆるコスパだけを考えれば、我々士業に頼らず自分で行えばお金はかかりません。しかし、今若い人の間で(⇐こういう言い方はあまり好きではな
いが・・・まあ、どうせ私はオッさんですが)いうところのタイパ(時間効率)で考えれば、紙➡電子化になったところで、紙に書くのが画面に入力にな
っただけ+証明書類の収集+その電子化にかかる時間が、その作業によって失われる仕事で得られる収入に対して割が合わなければ、他人(=士業)に頼
んだ方がマシ、という事になるでしょう。
詰まるところ、我々士業が食っていくのは、「専門的知識」を売るか、「ご依頼主の手間暇」を代わりに引き受ける「労働」を売るかになるわけです。
「単純な知識」に関しては、AIの進化によって早晩勝てなくなるでしょう。だから、いかに専門性を身に着けるか、コンサルティング的なことまでできる
ようにならなければ、と言われてます。しかし今のAIの進歩スピードを考えれば、それも遅かれ早かれAIにとってかわられるでしょう。私は数日後に53
になるのですが、私ぐらいの年齢ならば20年後もバリバリに仕事をしていなければ、という年齢でもないので「専門性の深さ」で逃げ切れるかもしれま
せんが、30代・40代前半ぐらいの方はどこかでスキームを変えなければいけなくなるでしょう。
これは、完全な私見ですが、おそらく時間的に持ちこたえられるのは、「依頼者様の手間暇」を引き受ける「労働」の方でしょう。電子化になっても
かかる手間はかかるのです。役所が縦割りで持っている情報をバックヤードで一元化していけば、「かかる手間」は減っていくのでしょうが、役所の権益
もかかってくるので、そう簡単に進むかどうか・・・。また、システムの改修にも時間はかかりますから、現在の段階で、ただ紙でやっていることをPC
で入力するだけ、の申請が本当に電子化のメリットが生かされる段階になるのは、世の中で言われているより時間がかかると思われます。
当ブログでも散々書いてきた、戸籍証明書の広域交付に関しても制度は始まっているのですが、現在混乱中というのが実態です。スムーズに出たという
話もあれば、交付が後日というケースも多発しています(⇐こちらのケースが多いようです)。ちなみに、戸籍証明書の広域交付の話はこちら。
結局「一元化」というのは言葉で書くほど簡単ではないわけです。それぞれの機関がそれぞれのシステムを構築してきた歴史があるので、この異なるシ
ステムをまとめるのは並大抵の話ではありません。例としては、具体的には名は挙げられませんが、A・B・C・・・の複数の金融機関が合併した際のATM
のシステムの統一を思い出していただければ、イメージが浮かぶでしょう。様々なトラブルが報道されてきましたね。
そういう意味では、非定型的な手間暇がかかる申請(自分でやると作成に時間がかかる申請)であり、さらに一定の専門性が必要な仕事を如何に見出せ
るかが、生き残りに必要になるのでしょう。
それとは別に、電子化が進みづらい分野もありそうです。今、文書のデジタル化に歩調を合わせるように、印鑑の不要化が進んでいます。これまで本人
確認の重要手段として印鑑が使用されてきました。この「印鑑」による証明と「現在の」電子化は基本的に相性が悪いでしょう。紙に印鑑を押して、その
紙を提出する場合は、印鑑が無ければ話になりません。しかし紙をスキャンして画像データ化するという「現在の電子化」では、別な紙に押してある印章
部分を画像データとして取り出し、別の書類に張り付けてしまえば(出来次第ですが)簡単に区別ができないでしょうから、印章があるから本人が押印し
たとは言い切れないわけです。もちろん細かく調べればわかるのでしょうが、その一手間が審査に時間を要することになると、電子化のメリットとは?に
なるわけですね。
この、印鑑がモノを言う分野の話などは、また次回の話に。今回はタイトルに(1)とナンバリングしているので(2)をやらないわけにはいかない
・・・はず。最後までお読みいただきありがとうございました。では、また次回。