
次は早く更新する、と前回の文末に書きながら、もう2月も終わろうとしている始末。オオカミ少年ならぬオオカミおっさんここにありの様相ですが
考えてみれば、確定申告を控えている1月末に次回は早く更新します、というほどしっかり確定申告の準備していたのかといえば・・・この結果を見れ
ば、まあそういうことです。
休日に領収書・レシートと格闘し仕訳を終え、この3連休でe-Taxにて申告を済ませて、久々の更新。ネタを何にしようか、といったところで仕込んで
あるものは何もなし。さあ困った。で、今回は最近の苦労の源、領収書・レシートに絡んだ話。
そもそも、今年からの確定申告がより面倒くさくなってしまっている原因がインボイス。課税事業者が仕入税額控除を受けるには「適格請求書(イン
ボイス)」が必要なわけですね。この際、条件を満たした領収書などが「適格請求書(インボイス)」となります。
インボイス制度や仕入税額控除、その辺を確認したい方はこちらをどうぞ。
そうなると、気になるのは「条件を満たした」とはどういうことかですね。さらに、前段を読まれていて、領収書・レシートと格闘していたはずなのに
「適格請求書(インボイス)」の説明では「条件を満たした領収書」となっているのは、どういうこと?レシートはどうした、と思われた方もいらっしゃ
るかもしれません。ここで、今回のタイトル「簡易インボイス(適格簡易請求書)」の話になります。というわけで、「適格」であるための条件を以下で
説明しながら、簡易インボイスについても書いていきます。
請求書が「適格」であるためには、以下の8項目の記載が必要になります。
適格請求書=インボイスに必要な記載
〇 発行者の氏名・又は名称 〇 登録番号(T+13ケタの数字) 〇 取引年月日 〇 取引の内容(軽減税率対象ならその旨)
〇 税抜又は税込価額の合計額(税率ごとに計算) 〇 適用税率(10%又は8%) 〇 消費税額等(税率ごとに計算) 〇 宛名
ポイントは、「宛名」。レシートに宛名が書いてあることは、まず無いでしょう。つまり、レシートは「適格請求書」の条件を満たしていないのです。
だからといって、レシートにいちいち宛名を書いていたら、お客様の多い店はレジが大変なことになってしまいます。
そこで、「不特定多数を相手にする事業」であれば「適格簡易請求書(簡易インボイス)」を発行することができ、宛名の条件が不要になります。
さらに、〇 適用税率(10%又は8%) 〇 消費税額等(税率ごとに計算) は、どちらか一方の記載があればOKです。
不特定多数を相手にする事業
● 小売業 ・・・ 例 スーパー コンビニ デパート 文具店 雑貨店 など ● 飲食店 ● タクシー ● 時間貸し駐車場
● 写真店 ● 旅行会社・旅行代理店 ● その他・・・例 通販サイト ホテル 宅配サービス 会員向けセミナー など
これらの事業者からのレシート・領収書であれば、宛名がなくても「適格」な請求書となります。さらに税率、税額はどちらかが書いてあれば「適格」
です。
改めて、適格請求書(インボイス)と適格簡易請求書(簡易インボイス)に必要な記載事項をまとめておきます。
項 目 | 適格請求書(インボイス) | 適格簡易請求書(簡易インボイス) |
発行者の氏名・又は名称 | 必要 | 必要 |
登録番号 | 必要 | 必要 |
取引年月日 | 必要 | 必要 |
取引の内容(軽減税率対象ならその旨) | 必要 | 必要 |
税抜又は税込価額の合計額(税率ごとに計算) | 必要 | 必要 |
適用税率 | 必要 | どちらか一方で可 |
消費税額等 | 必要 | どちらか一方で可 |
宛名 | 必要 | 不要 |
その他、細かい話もいくつか。
● 「領収書」と書いてきましたが、名称は「請求書」「納品書」でもOK。
● 「取引年月日」となってますが、一定期間まとめたものでもOK。
● 記載事項が明らかに間違っている場合は、取引先(発行元)と確認し共有することで、自分で修正してもOK。
(確認事項・年月日・確認済みであることを記載した方が◎)
● 自らが適格簡易請求書の発行事業者であるときは、簡易インボイスであることを書いておく方が◎
私自身、領収書の整理をしていた際、行政書士会の研修の時の領収書を見た時、宛名がないので「これ大丈夫なのかな」と思ったとき、簡易インボイス
が適用できる範囲を調べたら、「会員向けセミナー」が入っていたんですね。まあ、士業の研修で出てくる領収書でインボイスでないものが出てきたらシ
ャレにならないでしょうから、問題は無いのでしょうけどね。一応国税庁のサイトには簡易インボイスであることを書いてある方が良いことは書いてまし
たので、こちらも書いておきました。
次回はどうのこうのと書くと、また冒頭で言い訳ラッシュになりそうなので、そこは触れずに今回はここまで。最後までお読みいただきありがとうござ
いました。