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昔このようなギャグを言ってらした芸人さんがいらっしゃいましたが・・・
(50代の筆者もリアルタイムではないので、ご存知の方はご年配の方か、かなりの昭和好きな方と思いますが)
近々、国(実際には各市区町村から)からこのようなギャグ・・・ではなく、マジの質問が届きます。
なぜかというと、6月に改正戸籍法が成立し、これまで戸籍に記載のなかった氏名の読み仮名を必ず付すことが決まったから。
ここで、『これまで戸籍にかな表記がなかった』、という部分に違和感を覚える方もいるのではないでしょうか。
特に最近お子さんが産まれた方は、「確か出生届に読みがなを書いたはず・・・」という記憶もあるのでは。
実は出生届には、ちゃんと戸籍にはよみかたは記載されないことが書いてあります。
リンク 法務省 出生届記入見本
どこに書いてあるかすぐわかりましたか?何秒で見つけられたかちょっとしたゲームになりそうですね。
というわけで、戸籍には読み仮名はありません。つまり、『山田 太郎』と戸籍に書かれていても、この人は『やまだ たろう』とは限らないのです。
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では、なぜ戸籍には読み仮名が無いかというのを、筆者なりに考えると・・・
必要ないから
だいたい、役所に行くと番号札を取って、番号で呼ばれることがほとんどですよね。
さらに、何かあれば郵便が送られてきます。
郵便を送るには、その人の住所と文字がわかればいいので、読みは関係ないわけですね。
つまり、役所からすれば、重要なのはその人の名前の文字であって読みではない・・のかな。
ちなみに、人名に使える漢字は、常用漢字2136字と人名用漢字863字の全2999文字(なんか半端・・・)。
対して漢字に対する読み方は、なんでもあり(だった)。だからキラキラネームとよばれるのもあり(だった)、となるのです。
『海』と書いて『まりん』と読んでもOK。『七音』で『どれみ』でもOK。なんなら『太郎』で『うるとらまん』でもOK。
さらに余談。昨年の大河ドラマの登場人物、『源 頼朝』。読み方はもちろん皆さんご存知の『みなもとのよりとも』。
つまり、”朝”を”とも”、と読んでいるわけです。この読み方は常用漢字の読み方としてはない、名乗り訓というものです。
公家や武士が成人する際に名乗る名前(実名=読みは”じつみょう”)などで使われた特殊な読みです。
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では、なぜ今になって戸籍に読み仮名を付けることになったかといえば、マイナンバーカード問題。
銀行口座では、名義入力の際使用できる文字は、大文字のカタカナ、英数字、一部の記号のみです。
一部の記号とは () ― . / など(銀行間で若干違いあり)
大文字のカタカナ?と思われた方もいるかと思いますが、これは ャ ュ ョ は使えないということ。
例えば、”きょうこ”さんは、”キヨウコ”と入力することになります。
というわけで、口座とマイナンバーを紐付ける際に、ミスが起きやすい形になっているわけですね。
これが改正後は、マイナンバーカードにも読み仮名が記載される、とのことですので自動的に照合が可能
になります。
で、今回の改正のポイントは、施行後1年以内に、全国民が本籍地の市区町村に読み仮名の申出をしなければならない、ということ。
実際には、市区町村がすでに住民票や、住民基本台帳で把握している読み仮名を書いた書面が届き、そのまま、または訂正して返信する
もしくは、マイナポータルを使って届け出をする、となりそうです。なので、タイトルのように「あなたのお名前何てぇ~の」ではないようですが・・。
では、これを放置するとどうなるのか・・・。
本籍地の市区町村長が職権で、氏名の読み仮名を記載する、ということが決まってます。もし、この記載が間違っていたら・・・。
読み仮名が職権記載された場合は、本籍地の自治体から、この読み仮名で記載した、という通知が届くはずです。
もしこれが間違っていた場合は、一度だけ、家庭裁判所の許可なく届出のみで変更できる、との事です。
正しい名前に“訂正”するのに、“変更”とはどういうこと、と思いたくもなりますが、変更だそうです。さらに、これを放置すると・・・
役所などで、自分に関する事柄に対して照会をするとき、検索をかけると、『そんな人はいません』となる可能性が出てきます。
自分の読み方(本来の読み方)と、役所の読み方が異なっているので、同一人物と判断されないわけですね。
というわけで、令和5年の改正戸籍法が施行される、という話を見聞きしたら、本籍地の役所から何か来るので注意してください、という話。
今、住んでいる自治体と本籍地が違う方は特に気を付けて。なじみのない自治体からいきなり書類(ハガキ?)が来るのですから。
まあ、このブログでもその時期になれば、また書きますが。
しかし、これだけ入力ミスが話題だと、正しい読みを送っても入力で間違い、なんてこともありそうな・・・。