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先日、2023年度第2回のFP試験が終わりましたが、受験された方はお疲れさまでした。自己採点された方は結果はいかがでしたか。
自己採点で合格が見込める方、手ごたえがあった方は、次回2級を狙ってしまいましょう。
3級から2級になるとものすごく難しくなる、という印象があるかもしれませんが、1度2級の学科試験をやってみましょう。
3級をしっかり勉強した方にとっては、知ってる話がかなり多くあると思いますよ。せっかく勉強したのなら記憶があるうちに2級です。
なお、FPの試験では、実技は金融財政事情研究会(きんざい)と、日本FP協会の主催の2種類がありますが、以下は日本FP協会について。
実際、範囲として増えるのは、中小法人資金計画(ライフプランニング)、法人税・法人住民税・法人事業税・消費税・会社と役員の間及び
会社間の税務・決算書と法人税申告書・諸外国の税制度(以上タックスプランニング)、事業承継対策・事業と経営(以上相続・事業承継)が
増える。早い話が法人・事業関係の話が増えるということ。逆に、ここに入ってないリスク管理・金融資産運用・不動産の3分野の範囲は、3
級と同じ。
学科試験の1番大きな違いは、3級のときの〇×・3択問題がすべて4択問題になってしまうこと。それに伴って選択肢の文章が長くなること。
3級の〇×問題であれば、「~は…である・する」「~は…できる・できない」、3択問題であれば割合(2分の1・3分の2など)、期間(2年
・6か月など)、言葉をずばり答える問題(~【 】は…である、という文章の空欄に当てはまる言葉を選ぶ)という、基本的な知識そのもの
を問う問題がほとんどである。これが2級の問題になると、「~の記述について、最も適切(不適切)なものを選べ」となり、4つの文章を読む
ということになります。
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3級をなんとなく勉強して、なんとなくの知識・覚え方で乗り切ってしまうと
厳しいかもしれません。しかし、しっかり勉強・対策してきた人であれば、少し
文章が複雑になった〇×問題を、1問中に4つ解く(〇が1つ×が3つ、または
その逆)というイメージです。1問で〇×を4つやるのは、キツイ感じもあるかも
しれませんが、1つの〇または×を見つければ良いのですし、時間も60分→90分
になるので、問題慣れすれば十分どうにかなります。
さらに、1月・5月の試験では、10月の法改正分は入りますが、法改正は1月や4月の方が大きいので、来年9月以後の試験になると
今回せっかく覚えたことが、法改正で変わってしまっていることも出てきます。例えば、2024年1月1日から、暦年課税の生前贈与加算
の対象が3年→7年に変わります。さらに、相続時精算課税制度を選択した場合は、暦年課税であった110万円の非課税枠が無くなっていた
のが、相続時精算課税制度でも適用されます。つまり、この部分は覚えなおしになります。
また、相続登記の義務化は2024年4月1日から。それに伴う形で「相続人申告登記」もできます。そもそも、これは所有者不明土地の
解消に向けた改革の一環で、これから更なる制度の創設も控えています。
なにせ、覚える分野の広さはFP試験の特徴。ということは、法律改正の影響を受けやすい試験ともいえるわけです。
また、2級に必要な勉強時間を調べると、150~300時間というのをよくみるかもしれませんが、これも3級の知識がどれだけしっかりしているか
次第です。忘れていればいるほど時間は長くなりますし、せっかく覚えていても、法改正などで知識が古くなってしまうと、結局覚えなおしです。
実技のほうは、やや大変ですが、日本FP協会の方の試験は、学科試験の知識をそのまま使える問題もあるので、がんばって1月の試験を
目指しましょう。